2016 SSHオーストラリア海外研修

2016 SSHオーストラリア海外研修出発

シドニーでの研修に向けて、経由地の香港に生徒5名、引率教員2名で出発します。

まだ、少し緊張しています。

実り多い研修にできるよう、みんなで頑張ってきます。


 

2日目(7/28)

長いフライトの末、ようやくシドニーに到着しました。

昼食は、最初の研修地のニューサウスウェールズ大学のキャンパスにあるフードコートで食べました。
初めて、英語で自分で昼食を購入です。

チキンやポテト、サンドイッチなど、それぞれ好きなものを食べました。

昼食後はいよいよニューサウスウェールズ大学のmicrobiologyの助教授のMike先生の講義です。

ウォームアップに大学の建物の説明をしてもらっているのですが、これから始まる講義が心配で、
みんな緊張しています。

講義では、微生物が私たち人間が汚してしまった水や空気を身を呈して綺麗にするために頑張ってくれていることを学びました。

 

Mike先生の微生物に対する深い愛情に織り交ぜられた最新の技術で観察できる微生物の活動の様子がよいバランスで、泉北高校のみなさんにも情熱を持って研究に取り組む対象を見つけてもらえたらと思いました。

最後に、こうして高校生のみなさんに微生物学のお話をすることで、将来ニューサウスウェールズ大学に入学してMike先生の研究に一緒に取り組む仲間になる人が出ることが夢だと聞き、先生の期待に応えられる生徒が将来生まれるといいなと思います。

夕方時間があったので、みんなでオペラハウスを見に行きました。よいお天気で夕日が反射するシドニー湾に浮かぶ美しいオペラハウスを堪能しました。

 

ホテルでの夕食は、Fish & Chipsとアイスクリームでした。美味しくいただき、疲れているので早めの就寝です。

※明日の研修地は山間部のため、wifiや携帯電話が通じない可能性が高いです。HPでの報告が遅れるかもしれませんが、ご心配なきようお願いいたします。

 

3日目(7/29)

今日から1泊2日の予定で、専門ガイドのMiddy 中島ブルーマウンテンでの研修に出発しました。

一つ目の展望ポイントは、、、

 

こんな感じで、絶景でした(安全には十分に配慮して撮影しております)。

次に、ブルーマウンテンズ内にある滝を目指して、1時間半のトレッキングをしました。

こんな絶景を見たり、

ユーカリの木が当初ゴムの木と間違えられた由縁となった蛾の幼虫の足跡を教えていただいたり、

 

ずいぶん細くて狭い通路を下りながら、

ここの岩の成り立ちを学び、

こんなに雄大な滝を見てきました。

行きは全て下りで比較的楽でしたが、降りてきた分、登らねばなりません。スマートフォンのアプリによると私たちは56階建てのビルを登ったことになっていました。

たくさん歩いたので、お昼のステーキバーガーはちょうどよかったです。

さて、午後からまだまだハードな研修は続きます。次は、ジュノランケーブでの冒険コースに挑戦です。

こんな感じで約10メートル下の洞窟の入り口まで降ります。

これはとても上手な例で、ほぼみんな降りる途中でロープにぶら下がる状態になり、命綱に何度も助けられました。その後も冒険は続きました。

 

 

1時間半ほどの冒険を終えて、大変でしたがみんな達成感を得るとともに、昔の研究者がどのように苦労して洞窟の研究に取り組んだかを実感することができました。

 

夕食後は、みんなで星空観察に出かけました。南十字星やさそり座、火星や木星、素晴らしい天の川を見ることができ、圧巻でした。そして、食べ物を持っていると勘違いしたカンガルーがとっても近くまで来てくれました。

さらに幸運なことに、野生のウォンバットにも出会えました。

一日中、オーストラリアの自然を体感して、科学的な知識だけでなく、オーストラリアの自然に受け入れられた心地よさも感じることができました。

2016 SSHオーストラリア研修4日目(7/30)

ブルーマウンテンズでの研修2日目は、世界最古の生命体であるストロマトライトに会いに行きました。

 

ニューサウスウェールズ大学で微生物学の講義を受けた後での、ストロマトライト(微生物)との出会いで、改めて微生物の凄さと、幾重の偶然が重なって今の地球があり、人類が存在することを知り、宇宙の生命体への興味や地球の環境を守る重要性まで思いを馳せました。

その後、ジュノランケーブで最も人気のあるオリエントケーブで洞窟の成り立ちや鍾乳洞について学びました。この写真を撮ったところは、オリエントケーブ最大の天井高が29メートルある場所です。

また、ジュノランケーブのシンボルマークに使われている鍾乳洞や、

他の洞窟では滅多に見れないがオリエントケーブでは非常にたくさん見られる、原因は不明の不規則な鍾乳洞を観察しました。

また、オリエントケーブから秘密の?洞窟に入り、美しい鍾乳洞の中で綺麗な音楽を聴くことができました。音楽が鍾乳洞の神秘さを際立たせましたが、みんなの一番人気は、こちらの天使の羽でした。

地学や化学が中心の研修になり、みんなの頭はフル回転でした。

お昼は、オーストラリア独特のプレートランチをいただきました。

昼食後はジュノランケーブを後にして、ブルーマウンテンの最後の展望ポイントに立ち寄りました。途中でオーストラリアでよく使われる薬草(バンドエードと呼ばれているらしい)について学びました。抗生物質が含まれており、傷によく効くそうです。

ブルーマウンテンの中に浮かんでいるようなその展望ポイントはとても特別な感じがしました。よく観光で紹介されるスリーシスターズも立ち寄りましたが、その景色が印象に残らないほどでした。

 

2日間ブルーマウンテンでの研修でお世話になった中島さんとホテルでお別れでした。おかげで、とても充実した2日間を過ごすことができました。ありがとうございました。

夕食はホテルでパスタを食べました。物足りないという声もありましたが、、、みんなはホテルの屋上からの夜景を楽しみに嬉しそうに上がっていきました。


※これより下には少々上品ではないものが含まれております。苦手な方はご遠慮ください。
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今日の研修でみんなたくさんの写真を撮っていましたが、中でも人気のあったものは、こちら。

なんとも奇妙な四角い形をしたウォンバットの落し物。どうしてこのような形になるのか、有袋類の不思議とともに、生徒たちが調べてまとめてくれると期待しています。

 

5日目(7/31)

今日はチャーターバスではなく、公共交通機関と徒歩での移動です。

まずは、サーキュラキーからフェリーで移動。

 

 

約5分くらいのフェリー移動で美しいシドニーシティーの景色を楽しんで、

 

リフトに乗り、タロンガ動物園に到着しました。到着してすぐに園内の特別ツアーが始まりました。

早速、イミューの説明を受けてたくさん写真を撮り、

念願のワラビーをなでなでしました。特別に人懐っこいワラビーだそうで、餌をあげている間は背中を撫でてあげてもよいとのことでした(動物園の専門ガイドが付いてくれるプライベートツアーのみ可能です)。

こんなに近づくこともできました。


注:単に顔を近づけているだけで、チューしているわけではありません。

そして、コアラのセクションに移動して餌のユーカリを運びます。

オーストラリアのほとんどの場所でコアラを触ることはできません。ストレスやその他の病気を予防するためですが、写真はたくさん撮ることができました。

 

続いて、カモノハシに会いに行きました。ブルーマウンテンでカモノハシは卵で子供を産んで母乳で育てる不思議な動物と聞いており、しかも体のどこからでも母乳が出ると学びました。今日改めて聞いてみると、リンパ腺のようなものが体にあり、そこから母乳が染み出すのだそうです。夜行性ということで、薄暗い室内での飼育になっていました。思っていたより小さくて、動きは俊敏でした。一生懸命嘴を動かして昆虫を食べる姿が観察できました。

動物園の飼育係のバックヤードにも入れていただき、動物たちの食事を作る様子も知ることができました。

動物は野菜だけを食べるわけではありません。動物性たんばく質を食べるため、動物園で育てたマウスや生きている虫も用意されていました(写真は割愛します)。こちらで作られた餌を動物にあげる様子も見せていただきました。こちらが実際の餌です。

こちらはその餌を食べている様子です。とても小さいですが大人でワラビーの一種の有袋類です。

もっと小さい動物にもバックヤードで会わせていただきました。

 

どちらもグライダーを伸ばして、ビョーンと飛ぶ動物でした。

野生のウォンバットにはブルーマウンテンで出会えましたが、動物園でも会うことができました。日本で事前研修をした時、ウォンバットはなぜ下向きに袋が付いているかわかりませんでしたが、質問してみると穴を掘るため下向きについていることがわかりました。こちらは外のプレイグラウンドで過ごすウォンバット。

そしてこちらは寝床で過ごすウォンバット。

ツアーの最後に会ったのは、タスマニアンデビルでした。赤い耳や鋭い歯と名前のせいで怖い動物と思われがちですが、実際はすでに死んだ動物を食べて生きているそうです。その様子がわかりやすいようになっていました。

タスマニアンデビルは、現在、原因不明で仕組みも全くわからない感性性の癌が広がっており、急激に個体数を減らしているとのことでした。みんな必死で研究しているけれども助ける方法はまだ見つかっていないそうです。

タロンガ動物園では野生動物の保護にも力を入れていて、世界中で人間の手によって罠などで怪我をしたりした動物を報告するアプリを作っています。Wildlife Witnessというアプリで、そういう動物の写真を送れば調査して犯罪者を摘発する仕組みになっているそうです。

今日ガイドしてくれた方は、15年間コンピューター会社に勤めていたけれど生活に疲れてしまい、動物園の飼育員に転職した方でした。疲れている中で自分は動物が好きだということを思い出し、獣医になろうかと考えたけれども、どうしても死に直面する悲しい瞬間が多くて諦め、動物園で動物をスケッチしていたところ飼育員を見かけて、どうしたらなれるかを調べたそうです。するとタロンガ動物園には飼育員を育成するコースがあったのでそれを受講し、ボランティア職員を経て、現在正式な飼育員として活躍されていました。コンピューター会社の頃よりお給料は低いけれど、こうして園内ツアーを通してsustainabilityの大切さを伝え、実際に種の保存にも役立っている今の自分の仕事を誇りに思っており、幸せだと話されていたのが印象的でした。素敵な出会いになりました。

タロンガ動物園を堪能しました。

 

夕方は、王立植物園で植物観察を行いました。

こちらは、恐竜時代よりも前から存在していたワラマインパインという木です。これがブルーマウンテンズで見つかったことがきっかけで、ブルーマウンテンズの世界遺産への登録運動が一気に盛り上がったそうです。

夕食まで少し時間があったので、市内散策したり、


(こちらは鼻を触ったらいいことがあるという豚の像)

スーパーでのお土産ショッピングも済ませて、電車に乗り、

ウォーターフロントの中華料理店で夕食をとりました。とても美味しかったです。

今日も充実した1日になりました。スマートフォンのアプリによると、今日は17000歩も歩いたそうです。約10キロです。心地よい眠りにつけることと思います。

 

6日目(8/1)

いよいよオーストラリア研修最終日でした。これから始まるモスマン高校での交流に、みんな少し緊張してホテルを出発しました。

モスマン高校に着くとすぐに日本語の先生で泉北高校に4月に来ていたAyako先生が出迎えてくれて、

授業が始まるまで校内を案内してくれました。モスマン高校はアートや音楽に力を入れていることでも有名で、校内にたくさん生徒の作品が展示されていました。

 

校内見学の途中で、泉北高校に来たことがある生徒たちがたくさん話しかけてくれました。

たくさんの生徒たちが授業が始まるずいぶん前から登校していて、友達とバスケットボールをして遊んだり、ラップトップで課題に取り組んだりして活発な朝でした。

理科の実験室や準備室も見学しました。

オーストラリアの生き物の標本を見せていただきました。こちらの標本は全てすでに死んでいるものを標本にしたもので、多くがタロンガ動物園からの寄付だそうです。

1限目の授業は、4月に泉北高校に来てくれた副校長のTony先生の化学の授業に参加しました。

エタノールと水を分ける実験をモスマン高校の生徒たちと一緒に取り組みました。この生徒さんはみな高校2年生で、泉北の2年生の参加生徒もちょうどエタノールと水について学んだところだったので、オーストラリアと日本の化学の進度が似ていることがわかりました。

2限目はAyako先生の日本語の授業に参加しました。

 

最初は緊張していた泉北生も、Ayako先生が準備してくれていたアクティビティーのおかげですっかりみんなと仲良くなれました。

 

少し早めに授業を抜けさせてもらって、モスマン高校の食堂?も見学しました。飲み物とか食べ物を買っても良いよと言ったのに誰も買わず、みんな連絡先の交換したりおしゃべりに夢中でした。

 

食堂の見学の後は、授業が終わって出てきたみんなと合流して、バスケットボールをして楽しみました。

モスマン高校でたくさんの友達ができて、みんなとても嬉しそうでした。

午後からはマッコーリー大学での研修のため、移動して、大学のフードコートで昼食です。自分たちで好きなものを食べるのですが、英語で何かすることに慣れてきたようで、初日のニューサウスウェールズ大学よりも広いフードコートで自由に昼食を選んで食べていました。

 

昼食の後は、Ken先生から高校生のみんなへより良い学習方法を最新の心理学の実験結果を交えながら教えていただきました。

テスト前にストレスを感じないように継続的に短い勉強時間と長い休憩時間(テレビやスマホは脳を休めないのでダメ)を事前に計画して実行することや、テストを受けるときと同じ状況で勉強すること(すなわち机に座って勉強する)、勉強したところを必ず自分で理解度をテストすることなどを実験結果を踏まえて話していただくと、大いに納得できました。また、自分をコントロールする方法として、自分の目の前のことを見たり聞いたり感じたりすることに集中する方法を教えていただきました。きっとこれから先のみんなの勉強に良い影響を与えてくれると思います。講義の後は、アフタヌーンティーをいただきました。

アフタヌーンティーの後は、Ken先生に大学構内を案内していただきました。ニューサウスウェールズ大学と比べてそれぞれの建物が低く、緑が多かったです。

こちらは4年前に新しく建てられた図書館です。

中はこんな感じ。

 

本を読んだり勉強をするスペースをゆったり取るために、書籍はほとんどが書庫に収納されており、必要な書籍を司書の方に頼むと15分以内に見つけて手渡してくれるシステムになっているそうです。みなさん、思い思いのところで集中して勉強していました。

生物学の建物内も案内していただきました。

 

最後にKen先生と脳の構造を勉強するための模型を手に記念写真を撮りました。

とても穏やかなKen先生に親切に大学での講義はどのようなものか、大学の施設はどんなものがあるのかを教えていただきました。Ken先生自身がいつも丁寧に目の前のものを見て聞いて感じることを大切にされているお人柄がよく伝わってきました。ありがとうございました。

夕食はダーリンハーバーのレストランでピザを食べました。

最初はその量の多さに驚いていたのに、しっかり完食しました。

夜は最後の研修場所のシドニー天文台に行きました。

プラネタリウムで南半球の星のことや、アボリジニのみなさんがどのように星を捉えていたかを学びました。

展示物の説明を受け、

いよいよ天体観測、、、ですが、残念ながら本日のお天気は曇り。星は見えませんでしたが、それ以外のものを天体望遠鏡の仕組みを教えていただきながら観察しました。見せていただいたのは、こんな感じ。

こちらの天体望遠鏡は鏡に光を反射させて観察する仕組みのため、左右逆に見えるようになっています。

世界で最も古くまだ動く状態の天体望遠鏡も見せていただきました。

最後に3D映像でみる、宇宙の大きさや他の星の過酷な環境などを学びました。

 

今日案内してくださった方は、3年前まで砂糖を日本の商社に売るビジネスをしていて、日本にも支社があるような会社でバリバリ働いておられたのですが、定年退職をして、大学院で専攻した天文学の学位を活かしてこの天文台で働いていると話しておられました。とても楽しそうに案内してくださり、夜遅かったことも忘れるほどでした。ありがとうございました。

今日の研修で歩いた距離は、スマートフォンのアプリによると約8キロ(約13000歩)でした。毎日たくさん歩いて、学んで、挑戦して、実践して、調査をして、元気に楽しく過ごすことができました。毎日の報告に載せたお話は研修のほんの一部です。帰国したら是非たくさんのお話を参加した生徒たちから聞いてやってください。

 

帰国前日に香港に台風が上陸して飛行機がキャンセルになるかもしれない、というニュースが入って心配しましたが、予定通り8/2に無事全員帰国することができました。どうやら、香港から大阪への便は軒並みキャンセルや遅延が出ていて、私たちは奇跡的に予定通り帰国できたようでした。研修が最後まで幸運なものになったことが何よりよかったです。

【番外編】
香港での乗り継ぎはもともと非常に短く、すごい早足で大阪便のゲートに移動しました。搭乗するまでのほんの短い時間の光景、、、

もれなく全員スマホ中(空港では無料のwifiがありました)。

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