プロジェクト型カナダ海外研修 2

 

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10日目

いよいよ最後の週がやってきました。残り5日です。週末は各々がホストファミリーとの時間を過ごし、色んなコミュニケーションの難しさを学んだ生徒もいれば、純粋に楽しんだ生徒もいました。どれにしても全ていい経験になったようで、実りのある週末だったと思います。今日は世界大学ランキングの上位にあるUBC(Univeristy of British Columbia)にやって来ました。バディとの関係にも慣れ、バスの往路でも日本語ではなく、英語が飛び交うようになってきました。学ぶ姿勢も貪欲で、残された時間を精一杯楽しみながら、学ぼうとする気持ちに大部分の生徒がなっているようです。こればっかりは、自分自身で奮い立たせるものですが、事前研修や、ホストファミリー、同様に必死に頑張る生徒、そして辛抱強く、でも生徒のことが大好きなバディ生徒に囲まれて、ポジティブに考える素地が付いてきました。何人かは帰国後、せっかく身につけた英語力を維持する方法や、物事の先を見る感覚が付いてきました。地球人の誕生です。世界トップクラスの大学のキャンパスで、ホストファミリーが忙しい中作ってくれた昼食を食べ、いつも笑顔で接してくれるバディと共にキャンパス内のスカベンジャーハントを行いました。ミッションに書かれたSDGsに関わる写真を、UBCの学生に訊いて発見するというものです。泉北高校の制服が、UBCの生徒に質問し、答えてもらったヒントで目的地へ向かう姿は、とても誇らしいものでした。

生徒との約束で、「1時間絶対に日本語を話さない」ルールを設定しましたら、全員が達成したようです(自己申告)。彼らの本当の意味での進化を問うため、UBC学生との交流をキャンパス内で行い、予定とは変わりますが、8/1に再度UBCの学生と学生センターで交流することにしました。将来世界を動かすであろう人々としっかり触れ合い、将来世界を旦那形でもいいので動かしてほしいと思います。

スタディセンターに帰ってからは、明日の老人ホームの訪問に向けて、「上を向いて歩こう」を練習しました。老人ホームですので、状況がコロコロ変わります。当たり前のことです。そんな中で、瞬時に状況を理解し、適応してくれる生徒の能力に本当に感嘆します。バディや先生方の前で歌を披露し、3回練習しただけで、誰かのハートを震わせる素晴らしい歌声になっていました。少し表情が硬かったので、バディ生徒に笑かしてもらいました。口角の上がった良い笑顔で、過去に世界中で有名になったSukiyaki Songを歌う姿に誰もが笑顔で見つめていました。日本から来た高校生が、カナダにいる人生のはるか先輩のハートを震わせるために明日出動します。乞うご期待です。

 

11日目

  

 

  

  

 

今日は朝から「ジェンダーの平等」についてディスカッションしました。男女の平等のテーマはSDGsにも取り上げられている大きな問題です。カナダと日本の比較をしながら、話し合いました。実際ホストファミリーの中にホストファーザーが家事を担当し、ホストマザーが働いているという家庭もあり。男が働き、女が家事をするという古くからの固定概念はカナダではかなり解消されているようです。日本でも少しずつ変わりつつあるのでしょうが、まだまだレアなケースです。最後には男女平等についてそれぞれのグループの意見を発表し合いながら、正解のない答えを共有できました。

昼食後、かねてから練習していた歌の披露、スケッチブックで自己紹介、そして折り紙の贈り物をもってシニアセンターへ訪問しました。このシニアセンターは、日本人の高校生を受け入れることが今回初めてということで、どちらも期待と不安が入り交じった状態でしたが、いざ始まると、そこに奇跡がありました。泉北高校生たちは笑顔で歌(坂本九さんの「上を向いて歩こう」)を歌い、その歌に合わせ笑顔で手拍子や体を揺らしながら楽しんでくれたシニアの皆さん、その後の自己紹介や折り紙などでは本当に楽しそうにお互いが反し合っていました。一人の二人のシニアの方を相手に笑顔で話す生徒、目の見えない方に対して手を握って話しする生徒、耳があまり聞こえない方に対して大きな声で堂々と英語を話す生徒、表情から感情があまり読み取れない方に対して必死に話をして、その方から涙がこぼれたり、去り際に「行かないで」と泣きながら言われて、一緒に涙を流して別れを惜しむ生徒、たった1時間半ほどの交流で、私を含め、カナダの先生たちもその光景に感動して涙が出ました。ずっと与えられる生活をしている中で、生徒たちはひょっとすると受け身になっていたのかもしれません。でもこの瞬間は、カナダに住む色んなバックグラウンドを持つシニアの人々に間違いなく幸せを届けていました。皆が一斉にシニアの皆さんの元へ駆け寄って、その場に膝眞づき、目線を合わせて話す姿は本当に感動でした。この子たちに未来を預けられると、心から思いました。こういうことが自然にできるということは、保護者の皆様の教育のたまものであると思います。シニアセンターから連絡が来て、これからも引き続き1年を通してこのような機会を設けてもらいたいと言ってきました。大きな進展を、30人の生徒がやってのけました。「この子たち以上の日本人の高校生は来ないよ!」と伝えておきましたが・・・。

シニアセンターを名残惜しみながら向かったのがリサイクルセンターです。カナダではリサイクルが本当に日常になっており、リサイクル料がすでに商品の価格に含まれています。ですので払ったお金を取り戻す意味も込めて、人々はリサイクルします。実際にペットボトルや紙のパックなどを現金に換える体験をしました。換金したお金はスタディセンターとして利用している教会に寄付します。シニアセンターの後なので、あまり気が乗らないかな…、と危惧していましたが、写真にあるように頭にいただいた電化製品のリサイクルのための箱をかぶって記念撮影、本当にメリハリの利いた素晴らしい生徒たちです。

明日は、この研修の大きな山場の一つであり、最後のビッグイベントであるシアトルに旅立ちます。陸続きの国境越えはきっと誰もしていないと思います。島国日本では絶対にできることではありません。一本の線が意味する重み、意義、そして国境の概念など、学びながら、GAAFAの一つアマゾンへ視察に行きます。生徒にとっては、スターバックスの1号店が気になるようですが・・・(私もですが)。泉ヶ丘駅にあるスターバックスは一体何号店で、その初代となる記念すべき元祖を見る方が、生徒たちにとっては身近にインスピレーションを感じられるかもしれません。

長々と書きましたが、実り多い一日でした。

 

12日目

今日は朝からシアトルへ向かいました。

バスに乗って国境へ向かい厳しい審査を経てアメリカ合衆国へ入りました。

バスの場合は国境をまたいで写真を撮るという行為ができないようで、断念しました。物々しい雰囲気の中気が付けばアメリカに入っていました。こんなに親交の深い両国でも最近では非常に厳しい入国審査になっていることに驚き、そして考えさせられました。メキシコとの国境に壁を建設するなど、自由の国アメリカが少しずつ変わってきていることを肌で感じることができました。

 

シアトルに着くと、Starbucksコーヒーの焙煎の行程がすべて見ることができる大きな店にまず立ち寄り、その店にしかない限定のグッズなどを生徒たちは買っていました。

その後、アマゾンセンターへ行き、ユニークな会社の作りとその意義を学びました。更に、バナナスタンドといって、バナナを無料で配っているアマゾンの会社の中心へ行き、皆バナナをもらいました。生徒たちの頭には「なぜバナナ?」という?マークが浮かんでいましたが、何人かはその答えにたどり着きました。すべてのバナナはフェアトレードでアマゾンがエクアドールから大量に購入しているものです。有り余る資産を正しいことに使い、また、ただ寄付するだけでなく、バナナを購入することで生産力を高めること、更にアマゾン社員の脳に栄養価の高い糖分を補給すること、シアトルやアマゾンに訪れる人たちにバナナを配ることでアマゾンの評価を上げることなど、社会貢献度の高い素晴らしい取組であると思います。グローバル企業であるトヨタやSonyはどうでしょうか?考えさせられます。

 

次にパイクストリートマーケットに向かいました。ここにはStarbucks一号店があり、長蛇の列でした。30分並び、ここでしか売っていない限定グッズを買っている生徒もいました。アマゾンで調べると、4倍の値段で売られていました!!

バディと共にマーケットを2時間周り、お土産を買っていました。買い物になると、ハンターの目になる生徒たちに毎回驚かされます。

その後スペースニードルというシアトル版スカイツリーへ行き、更にお土産や晩御飯を買って一路バンクーバーへ向かって出発しました。

 

長い一日でしたが、本当に意義深い一日になったと思います。ちなみに生徒たちの何人がマクドナルドのロゴのアメリカとカナダの違いに気づいたでしょうか?見えているものの先を見る視線を常に持っていてもらいたいものです。

 

13日目

今日は朝からこの研修を振り返っての1分間スピーチと、UBCの学生とのディスカッションのための質問を準備しながら午前中を過ごしました。早めの昼食を食べて、バスで2度目のUBCへ向かいました。昨日のシアトルの後なので、皆疲れていましたが、きちんと集中して授業に臨んでいました。かなりしっかりとした意識ができてきました。学ぶということが、自分から生まれる好奇心や熱意からしか生まれないということを体で認識しているような雰囲気を皆が持ち始めました。

今回はUBC5人の学生とディスカッションということで、中々ハードルは高いのですが、前回キャンパスの雰囲気や、実際にUBCの学生にインタビューをした経験が生きていますので、そんなに緊張していませんでした。

まず最初にUBCの学生からそれぞれの自己紹介と、自分が思うSDGsについてのプレゼンテーションがありました。非常にレベルの高いプレゼンテーションで、各学生の能力の高さに驚きました。心理学・生理学・そして公共医学の3領域を専攻する方法をとっている学生は、脳に興味があり、今後はメディカルスクールに進み医者の道を進むようです。建築学を専攻し、卒業した学生が再びUBCで今度は心理学を専攻し、SDGsを研究しながら、どのように人の心理と建築が結びつくかを学んでるとか、本当に多種多様で、且つレベルの高い生徒が、泉北の生徒のために分かりやすく、話してくれました。それでもやはり高いレベルの話です。ディスカッションになると緊張するかな、と思っていましたが、この2週間で大きく成長した生徒たちは、40分余りの時間、止まることなく質問をしたり、学生の話に耳を傾けていました。非常に大きな収穫になった時間でした。思えばカナダに出発する前の713日に京都大学生とSDGsについて交流したときから、1か月も経たない間に本当に大きく成長したものだな、と感慨深くなります。

この研修で色んなところに連れて行ってくれたバスドライバーのDonさんとも今日でお別れです。最後はスクールバスの前で記念撮影をしました。

いよいよ明日が最後の1日です。ホストファミリーや先生方との別れもあります。カナダ生活を振り返って1分間スピーチもあります。その後は長い長い帰路につきます。長い一日になりますが、あとひと踏ん張りして、かけがえのないものを手に入れて欲しいと思います。

 

最終日

いよいよ最後の日となりました。生徒たちは通いなれたスタディセンターに登校し、最後の授業を受けます。といっても日本とは違い、各自の「カナダで学んだSDGsについて」のプレゼンテーション、ホストファミリーへのサンキューカード、そして最後のグループプレゼンテーションなど、盛りだくさんの一日です。

ふと見ると、何人かの生徒が泣いています。ホストファミリーとの別れが朝になっている生徒たちです。忙しい中、予定がある中、朝の時間を共に過ごし、お別れをしていました。ホストファミリーが涙を流しながら別れを惜しんでいる姿は、ステイした生徒との別れを本当に惜しんでいる証拠です。泣いている生徒に申し訳ないですが、素晴らしい日々を過ごした証となりました。

朝の個人でのプレゼンテーションは本当に一人一人が素晴らしいものでした。事前研修でGoogle任せのリサーチで話している時とは違い、リアルなカナダの経験からくるSDGsに対する理解と今後の抱負が述べられており、それを英語で行った点、バディや先生からの質問にも答えようとする姿勢、大きく変わったと思います。まだまだもっと高く、もっと深く考え、調べ、経験しながら自分だけのSDGsを見つけてもらえたら幸いです。その種はしっかりと蒔かれたと思います。

お昼休憩ではバディからのビデオレターを鑑賞し、その後グループでのプレゼンのために練習を行いました。各班が色んなアイデアを出し合って、バディと共に行う最後のイベントでした。ダンスする班、パントマイムする班、ジェスチャーや劇、お絵かきなど様々な出し物を披露してくれました。発表そのものより、相談し合ってバディを巻き込んで作り上げたものであるということに価値があるのでしょう。

最後はバディの歌、ダンス、そして先生方から一人一人に修了証を授与していただき、長い2週間の時間が終了しました。

一旦ホストファミリーの家に帰り、夕食を共にして、再度集まるという変則的なスケジュールでしたが、最後のひと時をそれぞれのファミリーのスタイルで過ごせたことと思います。

集合時間に来た生徒たちは、ファミリーとの別れを惜しみながら、号泣する子もいました。「このまま連れて帰っていいか?」と冗談でもないようなトーンで話してくるファミリー、「この子の親に伝えてくれ。本当に素晴らしい子どもだ。カナダの親として、誇りに思っている。今度は一緒においで。」と話すファミリー、笑顔でバスが出るギリギリまで手を振っているファミリー、子どもたちが全員号泣しながらコアラみたいに生徒にしがみついている姿などを見ました。見ているこちらがもらい泣きしそうなぐらい美しい光景でした。たった2週間生活を共にしただけで、これほどの印象を残せる生徒たちを心から誇りに思います。

今はバンクーバー空港です。2時間余りの自由時間を、最後のカナダドルの使用機会を、ハンターの目で楽しんでいます。ここから長い空の旅です。しっかり寝て、時差ボケを回避しましょう!

台湾に到着した際、WiFi環境と時間が許せば最後の交信をさせていただきます。

間もなく地球人30名日本に帰ります!

 

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