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- [:ja]SGH北欧リトアニア研修⑧(9日目)[:en]SGHほくおう[:]
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- 2017/3/28
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[:ja]今日が、ジャミナ高校との交流最終日となりました。この日はジャミナ高校で開かれたカンファレンスに参加し、泉北生も日本を代表して、プレゼンテーションを行います。
取材を受ける生徒たち
カンファレンスは、生徒によるJAZZ演奏で華やかに始まりました。
その後の校長先生の挨拶では、遠く離れた日本を含めて、地球環境を守るために、多くの国での協調が必要である事、世界の未来を担うのは、今日会場に集まった高校生である事をお話し頂きました。
国会議員の挨拶をはさみ、基調講演はリトアニア国営テレビ勤務の気象学者Naglis氏です。テーマは「気候変動と気象予報」。ヨーロッパ各国の気象台のwebサービスを実際に紹介しながら、現在の気象予報のあり方について、ご講演頂きました。
基調講演のあと、いよいよ泉北生による発表を行いました。内容は以下の通りです。
◆日本の四季と魚との関わりについて
季節によって違う多くの種類の魚を、様々な調理方法で食する日本の食文化について紹介するとともに、ウナギや、お節料理に込められた願いや、「魚」の登場することわざを紹介し、日本文化と水産資源が切っても切り離せない関係にあることを紹介しました。紹介する水産物は全て、自ら筆と墨で書き、漢字・英語・リトアニア語で紹介する等、オリジナリティ溢れるプレゼンテーションでした。
◆広島・長崎と日本の原子力政策について
世界で唯一の被爆国である日本を代表して、広島・長崎の事例を紹介し、核廃絶を訴えました。”Do you Know Hiroshima and Nagasaki?”の質問には、会場の多くの聴衆が”Yes”と答えてくれていました。
また一方で、枯渇性資源に頼らないエネルギー政策を目指し、日本は原子力発電の建設を推進してきた事、3.11によって今、日本はエネルギー政策の岐路に立つ事を説明しました。グラフやデータの活用に優れた発表で、多くの聴衆が真剣な眼差しで聴いていました。
◆泉北高校の紹介
泉北高校の部活動や、服装、始業時間と就業時間など、泉北高校について紹介を行いました。「放課後に部活動がある」「制服がある」など、日本の高校は、リトアニアの高校とは大きく違うので、興味を持って聞いてもらえたと思います。発表者は、発表後多くの生徒に「一緒に写真を撮って」と頼まれていました。
また、ジャミナ高校と同じく、泉北高校がユネスコスクールに指定されている事についても紹介しました。「持続可能な社会」を目指した教育を行うユネスコスクールでは、今回のカンファレンスの様な、「持続可能な社会」実現に向けた研究・発表による学生間の交流を促進しています。
◆堺市の歴史と今
泉北高校が位置する堺市について、紹介しました。仁徳天皇稜や、刀鍛冶に端を発する包丁などの伝統産業について発表。また、大阪湾に接する堺の地理的特徴と、その特徴から16世紀、多くの外国商船と取引した自由都市であった事も紹介しました。現在でもASEANウィークの開催などを行う堺市の国際性について、うまくまとめたプレゼンテーションでした。
◆研究発表「海の豊かさを守ろう」
「子や孫の代まで、様々な寿司を食べられる社会にするためにはどうしたら良いのか?」を動機に、様々な調査を行った研究発表です。二色ノ浜や浜寺公園で水質調査を行った結果、大阪湾の水質はさほど悪くないのですが、日本近海の漁獲量は確実に減少しています。この課題を解決しない限り、「持続可能な寿司文化」の実現は不可能です。
生徒たちは、日本人の過剰な水産資源の消費が、日本への水産物輸出を行う外国でも、近海の漁獲量を減少させている事について発表しました。特にバルト海を囲む国々で伝統的に食べられている「ウナギ」を例に挙げ、ヨーロッパ→中国→日本 のルートで行われるウナギの稚魚の国際取引によって、ヨーロッパウナギの個体数が激減している事実についても説明し、問題提起を行いました。
かなり、緊張が伝わってきましたが、しっかりとした調査内容があるだけに、良い発表ができ、多くの拍手を頂きました。スウェーデンで行った発表に比べれば、顔を上げ、聴衆に向けて堂々と発表ができるように、少しづつなってきています。
みんなが働いているであろう10年後、英語でのプレゼンは今よりももっと、当たり前に行わなければならなくなっている事でしょう。今回の経験をバネに、たくさんの場数を踏んで「コミュニケーション能力」を養って欲しいと願っています。
この日は泉北高校生だけではなく、リトアニア中の小・中・高の学生がジャミナ高校に招待されており、「持続可能な社会」実現に向けた様々な研究発表を行いました。発表グループは、校舎内の幾つかの教室で発表を行い、生徒たちは、興味のあるテーマを選んで発表を聴きに行くことができます。
リトアニアでは、小学校の頃から、「自分でテーマ設定→調査・研究→プレゼン発表」の形式で学習を行うことが浸透しています。小学4年生のグループは、近年増加する害虫の生態についての調査研究の発表を行ってくれました。実際に害虫を採集し、生態を調べる事はもちろんの事、データを大学に持ち込み検証するなど、かなりしっかり取り組んでおり、泉北生にも、教員である私にも大きな刺激になりました。
昼食を挟んで、午後は大学生と大学教授による研究発表です。
ビリュニス大学の学生からは、遺伝子組み換え技術の危険性と社会課題の解決に向けた有用性がプレゼンテーションされました。彼女たちは、遺伝子組み換え技術を用いて生物学的デバイスを作成し、プレゼンテーションする大会、iGEMの出場者です。
大学教授のVida女史からは、「植物の会話」についての研究発表が行われました。植物の成長と振動の関係に関する実験や、昆虫やバクテリアとの関係性、土中で植物が形成する他の植物とのネットワークについて説明されました。動画も多く、興味をそそるプレゼンテーションで、多くの知見が得られました。
エンディングには、招待された各校の生徒の写真や、動画を元に、ジャミナ高校生が作成したエンディングムービーが放映されました。
閉会にあたり、校長先生から「未来を創るのは、あなた達若い世代です」とのメッセージで激励を受け、この日のカンファレンスは終了となりました。
カンファレンスへの招待と催行に関わった、校長先生以下すべてのジャミナ高校教員と、今日も含め4日間、泉北高校生のホストとなってくれたジャミナ高校生への感謝を込めて、最後に生徒全員から息を合わせて大きな声で
「アチュー(ありがとう)」と述べ、ジャミナ高校を後にしました。
明日は朝からリトアニアを後にし、ヘルシンキ経由で大阪へ戻ります。「家に帰るまでが研修旅行」です。この日の午後はベラルーシに源流を発するリトアニア最長の河川Neris川の水質調査を行い、ディナーにて総括を行いました。
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